成長企業の税金のツボ
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税金をコストと考える経営者は伸びる
仕事柄、様々な中小企業経営者とお会いする機会があります。その中で、私なりに伸びる会社(経営者)とはどのようなものなのかということを、自問自答してきました。独断と偏見になりますが、私が思う伸びる会社や経営者について、様々な角度からお伝えしていきます。短期的な視点ではなく長期的にうまくいっているということを重視して、まとめていきたいと思います。
税金に対する2つの考え方
中小企業の場合、税金に対しては2つのスタンスがあると思います。1つは、とにかく税金を支払うのを回避しようと考える「節税重視型」で、もう1つは、税金の支払も他の業者への支払と同様必要コストであると考える「自己資本重視型」です。
節税重視型の場合、経営者個人と会社のトータルで税金が最も少なくなる手立てを考えますので、会社が儲かってくると必要以上に役員報酬が高騰する傾向にあります。そして会社で資金が足りなくなった時には、経営者個人から会社へ資金の貸し付けを行います。このため、会社の決算書を見ると役員報酬及び役員借入金が大きくなります。また、当面の税金回避に注目するあまり、不要備品の購入など数年後に後悔するケースも散見されます。節税重視型の場合、自己資本(純資産の部の合計)が少なくなりがちですので、金融機関の評価は良くないことが多いです。
一方、自己資本重視型とは、会社の自己資本を手厚くしていくことを優先するやり方です。中小企業の自己資本とは、おおまかには「資本金」と「繰越利益剰余金」です。繰越利益剰余金とは、過去の税引後利益の累積です。つまり、自己資本を手厚くしていくということは、会社で多くの税引後利益を計上していくことです。経営者自身の役員報酬は、必要な分に留めることになります。結果的に、経営者個人ではなく会社で多くの税金を支払うことになります。自己資本が大きくなる分、金融機関からは高評価になり、役員借入金などが発生しにくいので経理部が自立しやすいという副次効果もあります。
伸びる会社は税金=必要コスト
経営者=会社の同族零細企業で今後拡大予定が無いという場合には、節税重視型を選択するのもいいのかもしれません。
しかし、会社を継続・発展していくことを目的とする中小企業の場合には、ある程度の税金は必要コストと考えて自己資本重視型を選択するほうが経営はうまくいっているように思います。この場合、税金に対して過敏な反応をしませんので、結果的に経営者の時間が税金以外の営業面などに多くを割り当てられることになります。これは、経理部の従業員においても同様で、より生産的な仕事に時間を費やすことができるでしょう。
会社経営において、税金を支払わないと財務諸表は良くならないのだという事実を実感として知っている経営者は、会社を倒産させにくいともいえます。金融機関もそのあたりのことを理解していますので、財務諸表で最初に見るのは、損益計算書の売上や利益ではなく貸借対象表の自己資本となっています。
2010.1.30執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。