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儲けるのがうまい経営者は後工程も考える
新規事業を始める時の2パターン
新規事業を始める時の経営者の思考パターンとしては、大きく2つあるように思います。1つは、「儲け」を中心に考えるパターンで、いま1つは、「儲け+事業開始後の運営方法やその仕組み及び撤退の基準(後工程)」を中心に考えるパターンです。
新しい店のオープンや新商品の開発など新しい領域に会社が踏み入れる時に、徹底して「いかに儲けるか」を考えることは、当然のことなのですが、大変重要です。創業期であれば経営者として必要な「欲」もあるため、この儲けを徹底的に考えることは、それほど意識しなくても問題ありません。しかし、会社もある程度の年数がたってくると、経営者自身のモチベーションの低下や会社全体にはびこる極端な安全思考などが影響して、儲けることに対しての貪欲さが低下していることがありますので注意が必要です。
一方、長くうまくいっている経営者は、この「儲け」以上に「その事業を開始した後にどうやって運営していくのかや、いずれ撤退する時にどれくらいの費用や手間がかかるのか」などを事前に考えます。もちろん十分な利益が見込めなければ新規事業を始めることはしませんが、たとえ短期的に儲けることができそうなケースでも、後工程を考えて事業を取り止めるということはよくあります。
サービスや技術の質が上がる
新規事業を始める上での経理や総務なども含めた運営方法の事前構築となると、顧客サービスや商品に直結しない社内処理的な形式ばった感じの印象を受けるかもしれませんが、実は違います。
事前に後工程も考えて事業の組み立てを行うということは、行き当たりばったりではなく、事業開始前から様々なトラブルなどの状況を想定することになります。結果として、そこで働く従業員のサービスや技術の質が上がり、顧客に提供するサービスや商品がより良いものに変わります。
また、後工程を事前に考えるということは合理化するということでもありますので、高収益体質となります。更には、従業員のモチベーション低下を防ぐことにもつながります。よくある従業員の不満は、「経営者等が事前に深く考えず成り行きで事業をスタートしたために、現場では、同じことの繰り返しや要領の悪い仕事手順などが起こっていること」が原因であったりします。社長を含む営業が、製造や経理のことを全く考えずに仕事をとってきたときなどがよくあるケースです。
一方、新規事業を始める前に撤退費用や撤退基準について考えておくことは、経営に余裕ができ、思い切った経営判断を行なうことができます。結果として、その事業の多くの部分を従業員に任せることが可能で権限移譲が進むこともあります。
短期的な儲けではなくて、長期的にうまく儲けておられるなぁと思う経営者は、目先の儲けだけではなく後工程も考えて新規事業を検討されています。
2010.11.23執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。