成長企業の税金のツボ
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やらないことを先に決める経営者は伸びる
本当の決断力とは?
一見すると業績が良くうまくいっていると思われる中小企業の特徴の1つとして、強いリーダーシップがあります。社長を中心とした経営陣の「スピード感のある深い自信からくる」強烈な決断力というのは、会社をあたかも戦車のごとく前に進めます。特に昨今の長引く不況の中においては、社長の即断即決というのは、中小企業経営の舵取りにおいては時に必要不可欠とまで感じることもあります。
では社長が、熟慮の末、「よしこの新規事業をやっていこう」と強いリーダーシップのもとに決断すれば、果たして会社はうまくいくものでしょうか。
残念ながら、この時よくある中小企業の従業員の反応は、「既に日々の業務が多忙なのに更に仕事が増えるの?嫌だな。今のままでいいのに・・・。」といったものです(もちろんすべてではありません)。つまり、社長があれやろうこれやろうと強烈なレーダーシップのもとに旗振りをしても、従業員や周囲の人間は白けているということがよくあるのです。付け加えると、その新規事業のために必要な投資額を社長は個人保証を付けた銀行借り入れなどをして調達しようとしているにも関わらず、です。
まずやらないことを決める
決断力は一般的に優柔不断の反対語とされていますが、そもそも決断力とは何なのでしょうか。辞書を引くと、決断力とは、「自分自身の判断・責任で決断する能力」とされています。これを中小企業の社長に置き換えると、「社長自身の判断・責任で決断する能力」ということになります。
新規事業を始めることや新しい店舗を出すことなどは、極論社長以外の人でもできるのではないかと思います。逆に、店舗の撤退やそもそも今やっている業務のうちこの業務を明日からやめようと決めるのは、中小企業の場合、社長しかできないのではないでしょうか。
そう考えると、中小企業の社長の場合の決断力とは、単に決めることに重きを置いた言葉ではなく、「その前に、先にやらないことを決めること」という意味も大いに含んでいるのではないかと思います。
先にやらないことを決める経営者は伸びる
新商品が当たった時や時流に乗った商売となった時というのは、イケイケドンドンですから、「先にやらないことを決めること」の重要性がわかりづらい時期です。しかし、ずっと会社が右肩上がりということは絶対にありませんので、いつか成長が止まる時や中には様々なトラブルが発生して急降下する時というのがあります。
長期間うまくいっている中小企業では、スピード感や強い意思にもとづいた「よし、この新規事業をやろう!」という決断力だけではなくて、それと同じくらいの重要度で、「先にやらないことを決めて」います。そして、会社全体として、大きく前に向けて歯車を動かしていっています。会社全体を昨日と違う今日にもっていくには、そこに働く人々や関係する人々の意識も少しずつ変えていく必要があるのでしょう。
2010.10.29執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。