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「雇用促進税制に関するQ&A」、実務での不明点を解説

国税庁ではなく、厚生労働省からのQ&A

平成23年度税制改正で成立した雇用促進税制について、先日厚生労働省から「雇用促進税制に関するQ&A」が発表された。この雇用促進税制は税法に基づく税額控除制度なのだが、その手続きはハローワークで行わなければならない。そのため、今回のQ&Aは国税庁からではなく、厚生労働省から発表されている。  

雇用促進税制とは、中小企業の場合、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度において、雇用者増加数が2人以上であり、かつ、雇用増加割合が10%以上等の要件を満たした場合に、雇用者増加数1人当たり20万円の税額控除(法人税額の20%が限度)が受けられる制度である。個人事業主の場合は、平成24年1月1日から平成26年12月31日までの各年において適用される。

Q&Aは全部で25問

「雇用促進税制に関するQ&A」では、その適用要件や雇用促進計画の提出等における実務的な疑問について解説されている。  

雇用促進税制の適用要件を満たすためには、上記の通り、雇用増加割合が10%以上でなければならない。雇用増加割合は、「適用年度の雇用者増加数÷前事業年度末日の雇用者総数」で計算されるが、この場合、適用年度の前事業年度末日に雇用者がいなければ、適用年度で雇用者が増えても、雇用増加割合が計算できない。Q&Aでは、このような場合でも、雇用増加割合以外の要件を満たしていれば、雇用促進税制の適用を受けることができる、としている。  

また、事業主都合による離職がある場合には、雇用促進税制の適用を受けることができないが、その内容も明らかにされている。具体的には、次のよう場合が該当する。

(1)人員整理、事業の休廃止等による解雇  
ただし、以下のような場合は当てはまらない。
・労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇
・天災その他やむを得ない理由により事業の継続が不可能となったことによる解雇

(2)事業主の勧奨等による任意退職  
ただし、実質的には労働者の都合による任意退職であるのに事業主が退職金等を支給するために勧奨退職の形式をとった場合は該当しない。  

雇用者のカウント方法についても、詳しく触れられている。適用年度の開始日に新規採用した者が雇用者増加数に含まれる旨、事業年度終了日に離職した者も計画終了時の一般被保険者数に含まれる旨などが明記されている。ただし、適用年度開始日に新規採用した者が年度途中で離職した場合には、結果的に雇用者増加数には含まれない。また、事業年度終了日の離職が事業主都合による離職であれば、適用要件を満たさないため、注意が必要である。  

雇用促進税制と助成金が併用できることも、本Q&Aに明記された。ただし、この場合には適用要件を判定する上で使用する給与等支給額から、助成金の支給額を控除しなければならない。

2011.11.22執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
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