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雇用促進税制、決算時に来期の適用検討を | 大阪の税理士法人:大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動/設備投資/人材投資/多店舗展開/節税対策/部門別会計/税額控除/税金還付
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雇用促進税制、決算時に来期の適用検討を
新規雇用に対する直接的な税額控除制度
平成23年度税制改正大綱において、新しく雇用促進税制が導入される見通しとなった。政府は昨年9月22日に閣議決定された「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」において、雇用対策重視の方向性を打ち出している。そのため、平成23年度予算案においても、非正規労働者の正社員化に対する助成金の拡充や新卒者の就職支援、職業訓練中の失業者に対する手当の恒久化などが盛り込まれている。
税制における雇用対策として新設されるのが、雇用促進税制である。現在、人材投資促進税制として、使用人の職務に必要な技術や知識を習得させるため等に支出する教育訓練費については税額控除制度があるが、人材雇用に対する直接的な税額控除制度は新設となる。
増加1人当たり20万円控除、中小企業者等は当期法人税額の20%限度
具体的には、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度中に、従業員のうち雇用保険の一般被保険者の数を10%以上かつ5人以上(中小企業者等は2人以上)増加させる等の要件を満たす事業主について、増加1人当たり20万円の税額控除ができる制度となっている。ただし、増加1人当たり20万円が無制限に控除できるわけではなく、当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)が限度となる。
要件については、上記の他に、事業主都合による離職者がいないこと、その事業年度における「支払給与額」が、前事業年度における支払給与額よりも一定割合増加することなども設けられる予定である。これについては、正社員をリストラし、パートを大量雇用して税額控除を適用すること等を防止するためだと思われる。
決算申告時に、来期の雇用促進税制適用の検討を
雇用促進税制を適用する際に注意したいのが、手続面である。上記制度は、税額控除を受けるための要件として「雇用保険の被保険者数」などを確認する必要があるため、ハローワークでの手続きが必要となる。
まずは、事業年度開始後2ヶ月以内に、目標の雇用増加数等を記載した雇用促進計画を作成し、管轄のハローワークに提出することが必要となる。その後、事業年度終了後2ヶ月以内にハローワークから雇用促進計画について確認を受け、その際交付される雇用促進計画等の書類を確定申告書に添付して、雇用促進税制の適用を受けることとなる。
事業年度開始後2ヶ月以内、というのは決算申告期限にあたる。今後は決算申告時に、来期の雇用促進税制の適用可能性についても検討し、必要であればハローワークに雇用促進計画を提出する、という作業を忘れずに行う必要がある。
なお、平成23年度税制改正大綱については国会を通過するまでは正式決定ではないため、ご注意頂きたい。
2011.1.18執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。