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中小企業、今後の成長のカギは「経営力向上計画」
●拡大する「生産性向上」推進に向けた政府の施策
平成28年3月4日に「中小企業等経営強化法案」が閣議決定された。
これは、従来の「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」の一部を改正する法律案で、背景には、労働力人口の減少や企業間の国際的な競争の活発化等の経済社会情勢の変化に対応するため、生産性向上を今後の成長戦略の要と位置付けている政府の意向が大きく反映されている。
これまでも、「生産性向上設備等投資促進税制」や「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」など、生産性向上を図るための施策が税制や補助金などで実施されてきたが、今後もこういった生産性向上に向けた対策は継続、拡大していくものと思われ、この「中小企業等経営強化法案」もこの流れの中でとらえておく必要がある。
●「経営力向上計画」の認定を受ければ、税制や金融の支援措置
法案は大きく2つの柱からなる。
1つは、事業分野の特性に応じた経営力向上のための指針の策定である。
それぞれの事業分野の特性を踏まえつつ、事業者が行うべき経営力向上のための取組について示した「事業分野別指針」が事業分野ごとに策定される。
もう1つは、その指針に基づく「経営力向上計画」の認定である。
中小企業・小規模事業者等は、経営力を向上させるための事業計画(経営力向上計画)を作り、事業所管大臣の認定を受けることができる。認定事業者は、税制や金融面で特例措置を受けることができる。
具体的には、中小企業者が認定経営力向上計画に基づき取得する新規の機械装置について、固定資産税を3年間半減する措置や信用保証協会の特別枠融資、日本政策金融公庫による海外での認定経営力事業資金の債務保証などの措置を受けることができる。
なお、この法律案は、国会で可決されるまでは最終決定ではない。また施行期日は、公布の日から起算して3ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日となっており、実際に動き出すのはもう少し先の話となるが、今後の動きを十分注視しておいて頂きたい。
2016.3.8執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。