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役員室の無い会社は倒産しにくい

中小企業の実態

総務省「平成18年事業所・企業統計調査」によると、中小企業数(会社数+個人事業者数)は約419.8万社で全企業数に占める割合は99.7%となっています。従業員数においても7割以上を占めています。さらには、従業員数20人(商業・サービス業では5人)以下のいわゆる小規模企業数の全企業数に占める割合は9割弱となっていて、雇用の約1/4を占めています。  

つまりは、日本のほとんどの企業が従業員数20人(商業・サービス業では5人)以下のごくごく小さな会社であるといえます。当然、会社の組織体系も、社長をトップにして残り全従業員が横一列に並ぶ「なべ型」が多いです。

このような企業規模では、業種や仕事内容等によるやむを得ない事情が無い限り、一般論として、役員室や社長室は必要無いと思います(とはいえ役員室がすべて悪いということではありませんので、下記のようなデメリットを把握して対策を講じた上で、必要に応じてつくられるのは問題ないと思います)。

役員室の弊害

役員室や社長室を中小企業がつくった場合の弊害は、大きく2つあると思います。  

1つは、「会社の状態が実感しづらくなること」です。企業は人なりといいますが、特に中小企業の場合は顕著です。中小企業では少ない人数でそれぞれが様々な業務を兼務していることが多いので、誰か1人の調子が悪いと一気に会社全体に広がることがあります。これは、メンタル面でもそうですしフィジカル面でもそうです。せきをゴホンとしている従業員がいたらマスクをするように注意することは、単純なことですが重要です。こういったことは、同じ空間にいるとすぐにわかることなのですが、別部屋である役員室にいると意外と気付きません。  

更には、企業経営で問題が起こるのは日常ですが、大事なことは、小さな問題に早く気付いて対策を講じ、大きな問題にならないようにすることです。これも、より現場の近くにいないとなかなか気付けないことです。

中小企業が役員室をつくった場合の2つ目の弊害は、「経営者が傲慢になってしまうこと」です。傲慢になろうとして傲慢になる方はいないでしょうが、環境がそうさせてしまうということはよくあることです。役員室をつくると、必然的に椅子や机、本棚なども、実用的というよりは見栄えの良い値段の高いものをそろえることになるでしょう。また、従業員や取引先などが経営者に相談したい時、以前であれば気軽にできたのが、役員室をノックして相談するとなれば、相談する側も身構えてしまいます。

結果、周囲が勝手に経営者を傲慢にさせてしまう、ということもあります。私も税理士業をしている関係で、クライアントから「先生」と呼ばれることがあって、以前はそれで自分を見失うようなこともありました。しかも無意識のうちにです。  

しかし、逆にいうと、役員室をつくらず、出来るだけ会社全体をみれる位置に自分の机を置いて、謙虚な姿勢で経営されれば、その会社は倒産しにくいと思います。

2010.3.10執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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