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グループ法人を所有するメリット、デメリットは?

グループ法人を増やすメリット、デメリット

会社が順調に成長し、ある程度の規模になってくると、別法人を設立して、グループ法人経営を選択するケースがある一方で、過去にグループ法人をいくつか立ち上げたが、いったん整理してまとめたいというケースもある。  

両者に共通するポイントは、複数法人を所有することのメリット、デメリットである。

まず、メリットとしては、中小企業特例である「所得800万円以下の法人税率優遇」や「年間300万円までの少額減価償却費」、「交際費等の800万円定額控除限度額」といった特例が、グループ全体で、グループ法人の数だけ、限度額の枠を所有できることが挙げられる。
例えば、グループ法人が3社あり、それぞれが要件を満たしていれば、少額減価償却資産の特例枠が300万円×3=900万円分利用できることになる。中小企業倒産防止共済についても同様に、1社当たり800万円まで全損で積み立てることが可能である。  

一方、法人を複数所有することによるデメリットも存在する。
グループ法人経営の場合、グループ間の取引が発生し、経理事務が複雑になり、決算申告も法人の数だけ、行わなければならなくなる。また、別法人で赤字が発生したとしても、同一法人でなければ、連結納税をしない限り、その赤字を自社の黒字と損益通算することはできない。

目先の利益で判断するのは禁物

逆に、グループ法人を整理してまとめる、という立場から考えると、上記のメリットとデメリットはちょうど裏返しの関係になる。法人を1つにまとめれば、複数法人を所有することによるメリットは享受できない。

例えば、3社で中小企業倒産防止共済をそれぞれ満額積み立てていた場合、1社に合併すれば、800万円(満額)×2社=1,600万円については、益金で受け入れる必要がある。事業承継が絡むケースでは、法人が1つになり、会社規模が大きくなることによる株価への影響も考慮しなければならないだろう。  

いずれの場合にも、短期的な損得に目を奪われることなく、長期的に見て、自社にとってどういう影響があるか、金銭面以外も十分に考慮しながら検討する必要がある。

2015.6.30執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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